農
Watanabe’sの青は、有機堆肥を使用した土づくりから始まります。栽培中は除草剤や駆虫剤を使用せず、土壌の健康を維持しながら肥沃度を高めています。これにより、圃場の生態系が豊かになり、病害虫の発生も抑えられています。自然やこの土地の恵み、そして地域の方々をはじめ、関わるすべての方々のつながりによって育まれる藍には力強い青が蓄えられます。真夏に収穫を迎え、葉と茎に選別を行う「藍粉成し」を経て、天日により葉藍を乾燥させます。
9月 - 2月 September – February
土づくり Preparing and fertilizing the soil
藍畑にまく肥料は、Watanabe’sと親交の深い(有)NOUDAの養豚場でつくられる完熟堆肥を使用しています。徳島県の特産品である金時芋(なると金時)などの規格外品を(有)NOUDAの金時豚が主食とし、その糞や尿を堆肥化しています。発酵によって生まれる完熟堆肥は冬でも湯気が立ち昇るほど有効微生物を含む上質なものであり、それを地元の農地に還元する循環がWatanabe’sの藍畑の土も豊かにしています。
"金時豚"
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"金時豚の糞尿を発酵させて堆肥をつくる"
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"耕運"
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3月 - 4月 March – April
播種・育苗 Sowing seeds and nurturing seedlings
太くて堅い茎が育つように、根がしっかりと張るよう、水やりのタイミングや水量を調整しています。その日の気温や湿度によって、育苗環境は大きく変わります。
"発芽"
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"十分に成長した苗"
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5月 - 6月 May – June
定植 Transplanting seedlings to the field
根の活着と初期生育をスムーズに進めるため、雨の降る直前に定植します。雨と人工的な水やりでは生育状況に驚くほどの違いが出ます。
"定植"
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5月 - 7月 May – July
除草 Removing weeds
管理機とソリガナを使い分け、畝間と株間を除草していきます。効率よく除草効果を発揮するため、天気予報のチェックは欠かせません。
"除草"
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"管理機で畝間を除草"
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"ソリガナで株間を除草"
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6月 - 8月 July – August
収穫 Harvesting the indigo plants
収穫適期をよく見極めます。収穫した葉藍が良質であればあるほど、良質な蒅に繋がります。
"収穫期を迎えた蓼藍"
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"収穫"
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"束にした蓼藍"
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"撰別作業場"
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6月 - 8月 July – August
葉と茎を撰別(藍粉成し)・天日乾燥 Sorting and drying the leaves and stems(Aikonashi)
葉藍と茎の量が程良い割合となるよう、撰別具合を調整しています。葉藍同士がくっついて固まりにならないよう、葉藍を返しながら天日乾燥させています。
"藍粉成し"
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"葉藍"
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"天日乾燥"
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"乾燥葉藍" |
12月 December
種の収穫 Collecting indigo seeds
夏の終わり頃から日照時間が短くなってくると、蓼藍はやがて花を咲かせます。そして、その花はやがて種になり、収穫されます。この種は翌年の栽培に使用され、また新たな藍色の循環が始まります。
"藍の花"
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"種の収穫期"
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"蓼藍の種"
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Watanabe's
2024年。今年の夏は厳しい暑さが続きましたが、定期的に降る雨のおかげで、藍は予想を超えるほど力強く成長してくれました。連日の猛暑による疲労感や、突発的な線状降水帯による豪雨に対応しながらも、皆で力を合わせ、無事に良質な葉藍を収穫することができました。チームの皆、支えてくださった皆さまに心から感謝申し上げます。