染
蒅、木灰汁、貝灰、麩という天然材料を原料とし、仕込みから約2週間かけて発酵を促しながら、徐々に濃度を上げていきます。Watanabe’sではこれを「蒅藍建て」と呼び、日本の伝統的な発酵技術を用いています。染色液の中には、まるで生態系の星を眺めているような菌の世界が広がっていて、その中では社会が形成され、村があり、生き物としての営みが存在しているように感じます。そうした生命の営みが、私たちの藍に豊かな青をもたらしてくれるのです。
通年 All year
藍建て、染色 Fermenting indigo dye and dyeing fabrics (Aidate, lit. "indigo fermenting")
木灰から取ったアルカリ性の「灰汁」、アルカリ性でミネラルなどの豊富な成分を含む「貝灰」、糖分として使用する「麩」を使用し、発酵によって染色液はつくられます。
"藍建て(麩)"
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"還元醗酵"
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適宜、「灰汁」や「貝灰」によりアルカリ(pH)を調整し、発酵を促しながら2週間程かけて染色液の濃度を上げていきます。季節や天候により、発酵の進行具合は様々です。よく観察し、発酵状態を把握する必要があります。
"中石"
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"嵩上げ"
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"藍の華"
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"液面"
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藍染めは、「酸化と還元」という化学反応を利用します。染色液の中で藍の色素は発酵菌の働きにより「還元」され、水溶性の黄色い物質に変化しています。空気中では「酸化」により、不溶性の藍の色素にもどります。
"酸化と還元"
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染色液に浸す際は、空気が入らないように工夫をします。液中では生地全体に染色液が行き渡るように、手早く生地を広げながら染色を行なっていきます。
染色液から引き上げた側から酸化は始まります。手早く絞り、隅々まで広げて酸化を促していきます。この工程を繰り返し、濃度を上げていきます。色の濃度は各液槽の発酵菌の状態により違います。
"絞る"
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"酸化"
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"水洗い"
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染色後は繊維に固着できなかった藍の色素と「アク」抜き、水洗い、天日干しを繰り返していきます。
"アク抜き"
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"水洗い"
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"天日干し"
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糸の綛染めの様子。ひと綛ひと綛、丁寧に手染めを行います。綛で染色することにより糸心までしっかり染まり上がります。
"綛染色"
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使い終わった染色液は、染色槽から汲み上げて畑に撒き、翌年の藍作の肥料として再利用します。
"畑へ還る染色液"
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Watanabe's
2024年。今年の夏は厳しい暑さが続きましたが、定期的に降る雨のおかげで、藍は予想を超えるほど力強く成長してくれました。連日の猛暑による疲労感や、突発的な線状降水帯による豪雨に対応しながらも、皆で力を合わせ、無事に良質な葉藍を収穫することができました。チームの皆、支えてくださった皆さまに心から感謝申し上げます。